2013年5月31日金曜日

カナリア



母親演ずる甲田益也子さんの迫真の演技。
迫真の演技というと誤解を招くでしょうか?
淡泊な語りであるにもかかわらず、本当にこのカルト教団を信じているようにしか見えない。
この映画ここがぶれてたらなにも伝えられないと思うのです。
そして、そこが確固として伝わってくる。

カルトと言ったら特別のことだと思っていましたが、この映画を通じて、洗脳、マインドコントロールについて今一度考えさせられました。
カルトだけじゃない。
異常な家庭環境もまた、人の心をコントロールしてしまう。
この映画に出てくる母親はそこから逃れたかったのでしょう。
最後の一言にもそれが現れている。
しかし、逃れる先が間違っていたことは、映画が始まる段階で分かっていることです。

谷村美月演じる少女の生きる強さがこの映画の救いです。

抑えた音響設計もよい。

ヒタヒタと訴えてくる人間の心の危うさ、不安定さ。
「お前がお前でしかないことに負けるな」
この言葉を私も胸に刻みたいと思いました。

2013年5月25日土曜日

冷たい熱帯魚





黒沢あすかさんが素敵すぎて恋に落ちそうになりました。(おい

でんでんさん、演技は素晴らしい。
けれど、
キャラクターとして、こういう方向で徹底したのねって意図も分からなくもないのですが
好みから言ったらもっと言いようのない怖さがあると良かったかな。

でも、でんでんさんのキャラ、シーンの途中とかで急に豹変するのですが、テンションは妙にズッと変わらないのが、面白い演出だと思いました。
脅される方も急に「もっと殴ってください」と急に言い出す割には、同じテンションのまま。
多分良い意味で。

全体的に非常に絶妙なバランスですね。

吹越さんも良く壊れていました。

全体的に、皆が淡々と壊れている中、
妙に生き生きと溌剌と壊れているアイコ役の黒沢あすかさん、魅力的でしたねぇ。

大事なことなので2回言ってみました。

ありがちなセリフやシーンがなかったのはとても良いと思います。

5月25日の様子

いろいろなことが重なってずっと完全放置されていたマンションの専用庭。
芝さえ刈ってなくて、ようやく刈ったところ。
しかし茶色くなっちゃいました。
これを軸刈りと言うらしい。
伸ばしっぱなしにするとこうなってしまうらしい。
これから7月8月に伸びてくるのに期待するしかありません。



それでも咲いているバラ、ハナグルマ。
強い品種だったんですね。

でも鉢を動かそうとしたら動かない。
鉢の下から地面に根を張っているようです。
これは冬の休眠期まで待ってから弄りましょう。



その他にも2年間完全放置で枯れなかった植物があります。
生命力ですねぇ。







2013年5月23日木曜日

少年は残酷な弓を射る



原題は

WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN

ですね。

まさしく見終わった後に、この映画を観た他の人たちはこの映画をどう受け止めたんだろう?
という事が気になる映画ですね。

母親目線のストーリーですから、少年の異常性にフィーチャーした話ですが
母親に問題があったのではないかともいる向きもいるでしょうし、
またここまでの異常な性格の子供を持ってしまった母の不幸と見る向きもあるでしょうし。
一番に、
これを見た人がなにを感じるかが気になる映画です。


2013年5月22日水曜日

ヘンリー ある連続殺人鬼の記録

残虐な感じの映画みたいと思って、友人にいろいろ聞いてまわってるんですが、
その中での秀作がこちら。

「ヘンリー ある連続殺人鬼の記録」
淡々と描かれる殺人者の日常。
なにが異常でなにが普通なのか、分からなくなってくる怖さ。
もっと強烈に五感に来る残虐さを求めていたので
(勿論資料として)
それには当たらなかったんですが。

なんというか善悪の彼岸を軽々と超えてしまう感覚はなかなか良かったです。

面白い映画が当たっているとは限らない。
当たっている映画が面白いとは限らない。

この映画などはあまり知られていないけど(多分)、何かを確実に切り取っている映画だと思います。

2013年5月18日土曜日

学生時代

森田公一とトップギャランではありません(古)
中学生の時から8ミリフィルムで映画を作っていました。
高校卒業する歳にはぴあ主催のPFFに入選したりもしました。
一緒に映っている犬童一心さんや手塚眞さんも同じくPFF出身です。
小林さんも8ミリフィルムの監督作品も有り、犬童さんの映画の脚本や手塚さん監督のMOMENTに出演していたり。

まだみんなが何者でも無かったときに出会った、そんな仲間。
一生の宝ですね。
懐かしすぎるチケットが出て来たり。

そんな仲間が今日集まりました。
本当はもっと声かけようかなと思ったけど、今日の所はこのメンバーで。

思い返してみると学生時代にそんなにご飯食べに行ったりしてたかというと、
そうでもなかったりもするんだけど。
同じ時代の空気を吸ってたという安心感というか、言葉で伝えられないいろいろな思いを共有していてる皆なので、久しぶりに会っても、幼なじみのように、空気が混ざり合う。
不思議ですね。


集まると映画の話ばかり。
映画が本当に好きなんですね。
ところが手塚さんから
「この人実はそんなに映画ファンてわけじゃないよね」
と突っ込まれましたが(笑)
映画ファンじゃないわけじゃなくて、私の時間の使い方が下手でなかなかたくさん映画を観られないだけですー。
この方達の中に入ると当然負けますが、私だって普通の人の中に入ると十分マニアックな人間ですよ。ふん。
なんてね、笑。






2013年5月5日日曜日

くにおんとGWのぼっちから開放されよう会

いきなりのタイトルですが…笑。

せっかくなので盛り上げようと思うあまりキャッチーすぎるタイトルでの飲み会でした。

以前ドラマ「アザミ嬢のララバイ」で1本「死者は死んだ羊の夢を見るか?」という監察医の話を書かせて頂きましたときに、この監察医の名前を「辻田邦夫」としてしまい、そのあとすっかり忘れていて、番組のホームページが出来たときのお話の概略に「監察医辻田邦夫は…」とかなりがっちり名前が表示されていて、これ、確か本人になにも言ってなかったわーとTwitter越しに許諾をとったといういきさつがありました。

http://www.mbs.jp/azami/
http://www.mbs.jp/azami/story1.shtml

で、当然のことですが、辻田さんは「アザミ嬢のララバイ」が観たいわけなんですが、これが東京で放送されておらず、いつかね~となっていたところ。

今年の4月に当の辻田さんが
「ゴールデンウィーク中、実は奥さん海外旅行なので僕は思いっきりぼっち。なので、遊んでくれる人募集!←呑み中心で(笑) …と言ってもコンスタントにお仕事はあるんだけどね。」
と呟かれ、じゃあこの気にアザミ上映をやっちゃおう、と。

で、facebookとTwitterでお声がけしたんですが、GWにそんな急なお誘いに乗ってこられる方が、何故かちゃんといらっしゃって、笑。
シリーズ構成の小林さんももちろんのこと。

なんと。アザミ嬢のララバイ撮影監督の高間賢治さんまでいらっしゃることに……!!

とんでもなく充実した時間になってしまいました。

おいでくださった皆様、本当にありがとうございました。
また都合でいらっしゃれなかった皆様も是非次の機会に遊びにいらしてくださいませ。

またこのアザミ嬢のララバイ、出演者に綾野剛さん、染谷将太さんなど今とても熱い俳優さん達が出演されていて、東京で放送がなかったことがとても勿体ないっ! すごくっ!

再放送!を小鶴さんが月に願うとき、私は太陽に願うぞ!てなことを呟く昨夜の深夜でございました。






2013年5月3日金曜日

イメージフォーラム・フェスティバル

アニメ「ブラック・ジャック」でもお世話になった手塚眞さんから教えて貰い、ものすごく久しぶりに実験映画を観てきました。

以前に比べ、実験映画というジャンルがこなれてきているのか、観る側の、つまり自分が歳を取って、我慢強くなったのか(笑)すべてが心地よく楽しんでみられましたです。

本当に良かったなぁ。

特に手塚眞監督の作品は「どやって撮ってるの?」と疑問の嵐。
直接伺う機会がありましたので質問攻め。
「8ミリフィルムやってた人の方が疑問が湧くよね~」と詳しく教えて頂きました。

いや~。すごいなぁ~。映画が終わった後には手塚さんの事務所で懇親会も有り。
上映された作品Moon パートⅡの、パートⅠも見せて頂き、その上、ウルトラヴォックスのジョン・フォックスさんの曲の為に作られた作品も見せて貰いました。

全てキレイでしたけれど個人的には「Over The Mirage」がとても良かったです。
もうキレイキレイとてもキレイ←表現力が乏しい。




手塚さんの事務所でご一緒した椿かおりさん、映画監督のTORICOさん、作曲家の松岡政長さんと記念写真。

デジタルで出来ることもとても多いですけれど、やはりアナログというか8ミリフィルムの質感に今一度魅せられた一日となりましたです。






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2013年5月1日水曜日

寺山修司作 松本雄吉演出「レミング~世界の果てまで連れてって~」

寺山修司作 松本雄吉演出の「レミング~世界の果てまで連れてって~」をライターの松井亜弥さんと一緒に観てきました。

松井さんにお目にかかるのはとても久しぶりで、ちょっとドキドキしましたが、全く変わらない姿にホッとしました。
お互いに長い年月の間にいろいろな人生の扉を開いてきましたが、こんな事で松井さんとゲラゲラ笑うことになるとは、10年前には想像できなかったなぁ…と言う話で盛り上がり。

歳を取るのも悪くないと思う楽しい時間は、これからを生きる励みになります。

さて、寺山修司のレミングですが、私はまさしく寺山が亡くなる30年前の「レミング」を観ており。また、松本さんの「少年街」も汐留で観ており、どんなことになるかと期待で胸を膨らませておりましたが……。

よく考えたら渋谷パルコ劇場なのでした。
劇場に入った瞬間、あ、小屋小さいな、と思いました。

レミングも、少年街も、大きな劇場(少年街に至っては野外)でこそ生かされる題材だったような……。

私の期待が大きすぎたせいか、肩すかしを食らってしまいました。

いろいろ予習をしておけば、もうちょっと楽しめたのかも知れません。
やはり予習は大事ですね。

でも出演者の皆さんは皆素敵で、独特のリズムも心地よく、最後まで楽しめました(^^)

その後、新宿のナジャで林海象さんと合流。

昔の寺山さんの話や、状況劇場の話など、滅多に伺うことの出来ない貴重なお話を聞かせて頂きました。

海象さん”新世紀映画『彌勒 MIROKU』http://0369.jp/ の公開を控えお忙しいところ本当にありがとうございました。

小さく記念写真も…